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中間層が中間層を再生産は当たり前 [教育]

「BLOGOS」でこんなブログを見つけた。

【「東大まで行った人は教師にならない。中間層が中間層を再生産している」 現役東大生の発言で議論勃発】

 この議論について思うこと、まずひとつは、「中間層が中間層を再生産している」という発言は「当たり前」ということだ。この発言自体になんの意義もない。
国が安泰するためには、三種類の人間が必要である。「国を発展させる人間」「国を維持する人間」「国をダメにする人間」の三つだ。割合では「国を維持する人間が大半以上を占めるわけであり、この存在が国の根幹となる。地方大学の教育学部を卒業した教師、つまり「中間層」が「中間層を再生産」するのは、国の安泰のためには重要なことなのだ。これは「役割分担」である。東大生が教師にならないのは、優れた頭脳でもって「国を発展させる役割」を担った存在だからである。
そして、「東大にまで行った人は、中学・高校の教師にならない。だから中間層の人が中間層の人を再生産している。」という発言には矛盾がある。東大生も中間層の教育によって出現しているという事実がある。
この発言をした東大生は、高校の教師に「この成績では行ける大学はない」と言われ一念発起して東大に合格したという。であるならば、この東大生、つまり「上層」は「中間層」によって育てられたのである。
教育とは、良質の授業や「上層」の教育で成果が挙がるわけではない。下層から上層までという様々な個性をもつ人間を相手に、教師は幅の広い対応をしなくてはいけない。相手によっては励ますし、あるいは発憤を期待してわざと生徒を突き落とすこともある。この東大生は、「この成績で行ける大学はない」と言った教師に感謝すべきである。人生とは、そういうものだからだ。いろんな人の存在があって自分が作られていく。そのことを実感し、人との出会に感謝してほしい。

 この「BLOGOS」のブログでは、偏差値29から80にまで引き上げて東大に合格した東大生の「たぶん人間の脳はいくらでも拡張できる。どんな人でも東大に行ける。」という発言を受けて高校教師の対応を問題にしているが、どう考えてもこの東大生の発言は信頼できない。努力すれば全員東大に行けるなんてあり得ない。この東大生にはもともと能力があったに過ぎないのだ。偏差値29の生徒に向かって「おまえは努力すれば東大に行ける」という教師がいるとすれば、そっちの方が怖い。
 
 「中間層じゃないとうまく教えられない」という側面もある、と「BLOGOS」のブログでは言っているが、これも当たり前。東大生の発言に、「ひとつの真理」と賛同する声が多いそうだが、率直な感想を言えば「情けない…。」

 この東大生は、「上層」であり、日本の未来を担う存在である。自分を発憤させた教師を「中間層」と嘲笑し、「中間層が中間層を再生産している。」と、「当たり前」のことをさも新しい発見のように大いばり。
 こんな東大生が日本を担うのかと思うと、そっちの方が問題である。
もうひとつ言うと、東大生に教師は務まりません。東大生が仮に教師をしたとしても、学力は伸びないし生徒指導の問題もなくなりません。かえって学力は下がり、問題が増える。勉強することと教えることはまた違う。そして学校は、受験のためにあるのではない。生徒それぞれが自分の生き方を見つける場所である。

「教師」である僕が言うのだからまちがいない。
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コメント 2

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自分のこと否定されたから、批判して、自己を正当化したいようにしか見えないですね。
そもそも地方公立高校から東大受かる人は、授業なんて全部内職ですよ。
さらに言うと、その東大生は独自の勉強で合格してますから。
by (2016-03-15 20:50) 

asuma_s

批判した教師のおかげで今があるわけだから、感謝の気持ちをもっていい。それくらいの度量のでかさがほしい。今、ちっちゃい人間が多すぎるような気がする。公立高校から東大受かる人は授業は内職、確かにそうですね。独自の勉強法を生み出すくらいだから能力はあるんですよ。それをいい方に使ってほしい。
by asuma_s (2016-03-18 07:43) 

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